平成18年7月31日
MICKEY(CPM)

第一回 CPM・MICKEYの不動産投資わくわく講座
テーマ:「不動産の価格はどのように決まるの?」

@ 土地は生き物。価格は上下する。
 みなさまご存知の通り、土地の価格は、1987年に東京から急上昇が始まりました。金余りが生んだバブルとよばれたこの現象により、土地の高騰は全国へ広がり、金沢では、1992年にピークとなり、商業地では、土地公示価格は1986年の二倍以上に跳ね上がりました。その反動として起こったバブル崩壊は、一気に経済を不況へと陥れ、金沢におきましては、土地の値下がりは今も続いています。(参考図1・2)
 このように、土地とは、価格が上がったり、下がったりを繰り返す変動する生き物といえるでしょう。
 日本には、「土地神話」という言葉が存在します。土地は上がり続けるという神話により、日本人は不動産を信頼し、不動産が大好きです。平成16年の総務省全国消費実態調査によれば、世帯当たりの資産合計の平均は、3,900万円。その内金融資産(貯蓄・現金)が950万円、不動産資産が2,950万円となっています。この調査結果からも、いかに日本人が不動産好きかが伺いしれます。それだからこそ、今日の不動産の値下がりが、いかに経済に悪影響を与えたか、個人の消費意欲を減退させたか、はかりしれません。資産デフレの一つである土地下落が不景気の原因として最も大きいと言われる所以です。
 もし、不動産の価値、すなわち価格をコントロールできる方法、もっと言えば、不動産の価値を上げる方法があるとすれば、その方法を知りたい、身につけたいと思いませんか? 
 これから、このことに関していっしょに勉強していきましょう。

 [ 図1 ]
A 不動産の価格の考え方
それでは、はじめに「不動産の価格が、どのように決まるのか?」表現をかえれば、「不動産の価値をどのように評価、判断するのか?」ということに関して、お話をしましょう。
結論から言えば、近年、米国(アメリカ)から導入され、不動産をあくまで、金融商品のひとつとして扱うファンド化ビジネスの発展により、評価方法、価値基準が全く変わりました。不動産の評価方法、価値基準が大変革をとげたのです。解りやすく言えば、「その不動産から、どのくらいの収益が上がるのか。」もっと具体的には、「このアパートから、月々いくらの家賃収入があるのか。」の収益の大小によって、不動産の利用度合いの大小により、不動産の価格(価値)が決定するのです。
仮に、ここに、賃貸ビル、賃貸アパート、賃貸マンション、貸駐車場があるとします。この事業用の収益不動産からの年間の収益が大きいと、不動産の評価(価値)は高くなります。逆に、収益が少ない場合には、不動産の評価(価値)は低くなるという具合です。良質の卵をたくさん産むニワトリは、人気がありますが、エサ代ばかりがかかり、卵を少ししか産まないニワトリは、欲しがる人がいないという理屈です。この原理が不動産にも当てはまるという訳です。
余談になりますが、したがって、不動産からの収益をアップさせ、不動産の価値を高めことに正面から取り組み、不動産の所有者(オーナーのみなさま)の期待に応えるのが、我々不動産ファンドマネージャーとしてのCPMの務めです。MICKEY塾の目的はここにあるということをお伝えしておきたいと思います。
B 収益還元価格(DCF)方式
「DCF法」とは、「ディスカウント・キャッシュ・フロー」の略で、前述の、その不動産の収益を基準に、価格を割り出す方法のことを言います。
計算式は、V=I/R で表します。
V(Value)とは、不動産の価格(価値)のこと。
I(Income)とは、「営業純利益(収入合計から経費を引いた残り)」。正確には、「NOI(Net Operating Incom)」の略で、「ネット収入」のことをいいます。
Rは、専門用語で、「資本化率」と訳されています。別名「キャップ・レート(Cap Rate)」と呼ばれる数値で、その地域において、投資金額に対して、期待したい収益率、「利回り」のことを意味します。
尚「キャップ・レート」の詳しい説明は、この講座の最後に記載します。
例えば、金沢の小立野にワンルーム・マンション20室があったと仮定します。1室が月々5万円の家賃です。そして、「キャップ・レート」ですが、金沢の小立野のエリアでは、通常は10%で取引されているとします。上記が前提条件です。このワンルーム・マンションの「DCF(収益還元)法」により、価格を算出してみましょう。
このマンションの年間総収入は、5万円×20室×12ヶ月=1,200万円です。このマンションには、固定資産税、管理費、共益費、維持修繕費として年間100万円の経費がかかっています。したがって、1,200万円−100万円=1,100万円が、「NOI(営業純利益)」、「ネット収入」である「I」ということになります。ここで、金沢の小立野の「キャップ・レート」が10%ですので、「R」は10%です。V=I/Rの公式に代入すると、V=1,100万円/10%=1億1,000万円と計算されました。この1億1,000万円が、ワンルーム・マンションの土地建物合計の価格であるということになります。
C キャップ・レート(期待利回り)とは?
ここで、「キャップ・レート:期待利回り(Cap Rate)」について詳しく説明をいたしたいと思います。
まずは、「利回り」という言葉について説明します。「利回り」とは、投資金額に対しての収益率のことです。例えば、自己資金1,000万円を投資し、その投資に対して年間50万円の収益が上がっているとします。収益の年間50万円は、配当という形で受け取る場合もあるかもしれません。この投資の収益率は、50万円/1,000万円=5%となり、この5%を「(投資)利回り」といいます。
一般的に、投資家が、不動産投資を行う場合、投資金額に対して、あらかじめ、収益の目標を立てて行うのが一般的です。
例えば、中古アパートを購入する場合、購入価格が1億円であれば、家賃収入(収入純収益額)は、最低でも、年間1,000万円欲しいといった具合です。この目標とする収入の、投資金額に対する収益率を「期待利回り(キャップ・レート)」といいます。1億円のアパートで年間1,000万円の収入がどうしても欲しいというオーナーさんの期待利回りは10%ということになります。(計算式1,000万円/1億円)
D キャップ・レート(期待利回り)の具体的な数値
次に、「キャップ・レート:期待利回り(Cap Rate)」の活用の仕方に関してお話いたしましょう。いままで、お話をさせていただきました通り、「キャップ・レート」は、専門用語では、「資本化率」とも訳され、収益還元法(DCF法)によって、不動産の価格を算出する場合に使用される数値です。繰り返しになりますが、この「キャップ・レート」は、その不動産の存在する地域、市場の需給関係によって絶えず変化しています。参考に、日本全国の「キャップ・レート」を図3に記載いたしました。
[ 図3 ]
  ワンルーム ファミリー向け
東京 5.4% 5.45%
札幌 6.5% 6.5%
仙台 6.5% 6.5%
さいたま 6.0% 6.0%
千葉 6.0% 6.2%
横浜 5.8% 5.7%
名古屋 5.9% 5.8%
大阪 5.8% 5.8%
神戸 6.0% 6.0%
広島 6.6% 6.6%
福岡 6.0% 6.0%

(JRET 第14回不動産投資調査 平成18年5月発表)
( http://www.reinet.or.jp/jreidata/d_toh/index.htm )

[推定]
金沢 7.5% 7.5%
この調査結果から類推すると、金沢市の「キャップ・レート」は、7.5%前後が相当と思われます。
さあ、みなさんも、「キャップ・レート」7.5%を使って、ご自身のアパートの年間の家賃収入から経費を差し引いた「ネット収入(NOI)」から、不動産の価格を計算してみてください。計算式は、V=I/Rですよ。 ※ 参考 CPMとは?
CPM(Certified Property Manager)不動産経営管理士。
CPMとは、米国におけるプロの不動産管理者としての知識の育成や能力の向上を目的とした、教育プログラムを受講し、一定の試験に合格したものに与えられる最高峰の認定資格です。プロの不動産経営管理者としての倫理規約の遵守は、とりわけ厳格。運用不動産を国際的な基準で評価、多方面の投資指標を駆使して、顧客に最適な収益達成プランを提案します。